督促状が届いたけど返済ができないときには債務整理
借金の返済が滞っていると、債権者から督促状という書面が届くようになります。
督促状は借金の催促をする書面であり、請求書の延長線上にあるような文書です。
別に法的拘束力があるわけではなく、無視していても強制執行されるようなことはありませんが、督促状が届いたら、やはりすぐにでも対応するのが得策です。
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ただ、人によっては督促状が届いても返済できないという場合もあるでしょう。
そんな人は債務整理を考えてください。
ここでは、督促状が持つ意味と債務整理の必要性について解説します。
返済の催促!督促状とは
借金を滞納しているときに、返済を促すために債権者から送られてくるのが督促状です。
督促状は、債務者に支払いを促す請求書としての意味合いが強い文書です。
ただ、単なる請求書ではなく、債権者の強い意志を反映した請求書であると考えてください。
督促状が届いているにもかかわらず、借金を滞納している者が何の反応も示さなかった場合、債権者は何通も督促状を送ってきます。
初めのうちは、それも単なる請求書程度の意味しかありません。
内容も「ご入金をお願いします」といった簡素なものが一般的です。
しかし、送付の回数が増えるごとに文言が強くなっていきます。
「このままでは法的措置を検討することになります」「いつまでに返済がされなければ裁判所に訴えます」など、回数が増えるにしたがって強い意味を込めた内容に変わっていくのです。
もちろん、こうした強い口調は単なる脅しではなく、それでも債務者が返済の態度を示さなかった場合、本当に法的手段に訴えて財産の差し押さえなどを強行してくる場合もあります。
ですから、督促状が届いたら、無視せずに早く対応することが肝心です。
初めのうちは大丈夫だろうと高をくくらず、最初の1通が届いた時点で行動を起こすようにしてください。
内容証明郵便とは!督促状が持つ意味
督促状は普通の郵送で送られてくることもありますが、内容証明郵便という手法で送られてきた督促状には特に注意が必要です。
内容証明郵便とは、書面を郵送したことを郵便局が公的に証明してくれる郵送方法のことです。
「いつ」「誰が」「どこに」文書を郵送したのかを郵便局が証明してくれるので、内容証明郵便で督促状が送られてきたら、債務者は「そんな文書は届いていない」と白を切ることもできなくなります。
しかも、内容証明郵便は時効の中断という効力も持ちます。
借金は、通常5年~10年で時効を迎えます。
時効になった借金は返済する必要がなくなります。
すなわち、最後の借入や返済の期日から5年~10年以上経過していれば、借金の返済をしなくても良いことになるのです。
ところが、内容証明郵便で督促状が送られてくると、時効の経過がその時点でストップしてしまいます。
時効が成立するためには、債権者がアクションを起こさなかったという事実が必要です。
時効には、権利の上にあぐらをかくものを保護しないという原則があります。
債権があるからといって、それをいつまでも行使しないと、時効が成立して権利が消滅してしまいます。
内容証明郵便は、債権を行使する意思があることを公的に証明するための手段です。
そのため、内容証明郵送で督促状が送られてきたら、時効は中断し、債務者は時効による借金の無効を主張することもできなくなってしまうのです。
督促状を無視していたらどうなる?
再三にわたる督促状にもかかわらず、債務者がこれを無視し続けていたら最終的にどうなってしまうのでしょうか。
まず、本来なら分割で返済していた借金の一括請求をされることになります。
督促状を無視し続けていると、督促状と一緒に一括請求書というのが送られてきます。
この一括請求書には、滞納している借金だけではなく、遅延損害金も加算されて総額が記載されています。
遅延損害金とは、借金の滞納で発生した損害に対する賠償金のことです。
遅延損害金は、借金の滞納が続いている日数に応じて日割り計算されます。
そのため、滞納している日数が長いほど、遅延損害金の額も膨らんでしまいます。
それを本来の借金に上乗せして一括請求されるので、債務者にとっては困難な条件が付きつけられることになるでしょう。
また、それでも督促状を無視したら、最終的には差し押さえの強制執行をされてしまうおそれがあります。
貸金業者からの督促状に応えなくても、すぐには強制執行されることはありませんが、裁判所から訴状や支払督促申立書が送られてきたら危険水域に突入したと考えてください。
支払督促申立書が届いてから2週間以内に異議申し立てをしなければ、債権者によって財産が強制的に差し押さえられてしまいます。
訴状を放置していても最終的に差し押さえされてしまうので、督促状を無視し続けることは借金問題における最大の悪手といっても過言ではありません。
専門家に相談すれば債務整理を模索できる
債務者にとしても、好んで督促状を無視し続けているわけではないでしょう。
借金に困っている人のなかには、督促状が届いてもどうしたら良いかわからないという人も少なくありません。
しかし、返済能力がなく、督促状に応じることができないとしても、そのまま何もせずに放置するべきではありません。
そのときは、督促状に記載されている連絡先に問い合わせて、貸金業者と話し合ってみてください。
返済の能力がないこと、返済を猶予してほしい旨を主張すれば、貸金業者も要求に応じてくれることがあります。
ただ、やはり個人で貸金業者と話をつけるのは至難の業です。
特に返済能力がない場合、貸金業者が債務者の意向に応じてくれる可能性はかなり低いでしょう。
そこで考えたいのが債務整理です。
債務整理とは、借金を減額したり、帳消しにしたりできる手段のことです。
また、払いすぎた借金を取り戻すことができる場合もあります。
弁護士や司法書士に相談すれば、その人に合った債務整理の手段を模索してくれます。
とりわけ督促状が届いている場合は、素早い対応がその後の浮沈を握ると言っても言い過ぎではありません。
督促状が届いた時点で、すぐに専門家に相談するようにしましょう。
返済のプレッシャーから解放される!債務整理がもたらす効果
債務整理をすることは、債務者の心理面にも良い影響を与えてくれます。
とりわけ督促状が送られてきて、返済のプレッシャーに苦しんでいる人は、より債務整理をする意義も高いと言えるでしょう。
というのも、弁護士や司法書士に依頼して債務整理の手続きに入ると、債権者から送られてくる督促状も停止されるからです。
専門家に依頼した場合、その専門家が代理人として債権者とさまざまな交渉をすることになります。
代理人となった専門家は債権者に対して受任通知というものを送付します。
この受任通知は、債務者が「債務整理に入った」ということ債権者に知らせるための書面であるため、それ以降は債権者も借金の督促や電話での取り立てもできなくなるのです。
こうした制度があるため、債務整理の手続きをしているあいだは、一時的ではあっても債務者は返済のプレッシャーから解放されます。
もちろん、債務整理がうまくいけば、借金を大幅に減額したり、良心的な分割返済計画を立てたりすることもできます。
債務整理は精神的な側面だけでなく、実際の借金問題を解決に導ける手段でもあります。
督促状が届いて思い悩んでいるなら、すぐに専門家に相談して問題の解決を図るようにしてください。
早めの対策が肝心!時を移さず行動しよう
借金の返済に困っていて、しかも督促状まで届いているなら、放置せずに早く専門家に相談することが大切です。
対応が遅れてしまえば、債務者にとって大きな不利益をもたらすことになります。
それは法的措置や強制執行など、最悪のケースに見舞われるだけでなく、対応が遅れると債務整理の選択肢も狭まってしまうことがあります。
すぐにでも対応すれば、減額できる借金が大きくなったり、自宅を残したまま返済ができたりなど、さまざまな恩恵を得ることにもつながります。
放置だけは絶対してはいけないので、督促状が来たら早め早めの対応を心がけるようにしましょう。
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