債務整理をしたら信用情報ブラックリストはどうなるの?(体験談から)

債務整理をしたら信用情報ブラックリストはどうなるの?(体験談から)

「債務整理をしたらブラックリスト入りしてしまう」という話を聞いて、債務整理に踏み出すのを不安に思っている人もいるでしょう。

そもそも「ブラックリスト」というリストは実在しません。

しかし、よくわからないまま「なにかおそろしいものだ」というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。

まずは、体験談をみてみましょう。

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  • 年齢:20代
 
  • 職業:会社員
 
  • 性別:男
 

学生時代とは違ってひとり暮らしの生活は色んな生活費用がかかる上、会社の付き合いや冠婚葬祭で出費続きです。足りない資金に焦ったことがあってクレジットカードのキャッシングを使いました。それから2社、3社と増えて長年借金生活をしていました。

 

給料が入っても返済で消え、借金の支払いのために働いているようなものです。利息も増えて借金残高も減りません。この状況が何とかならないかと、専門家の先生にお世話になることになりました。すると、高金利の問題で法定利息の引き直し計算をしてもらったら、すべての借金が消え、過払い金が発生していたことがわかります。過払い金請求は請求金の全額返還で和解できました。大手のクレジットカード会社は訴訟までいかないことが多く、比較的スムーズに解決するそうです。裁判となると長期化しそうですし、早めに解決して良かったです。戻ってきた過払い金は30万程度で、いまでも大事に貯金しています。過払い金返還請求をしたら、クレジットカードが使えなくなったり、信用情報にキズがつくと思っていました。しかし、そのようなことは一切なく、ノーリスクの手続きだと説明を受けました。過払い金には「時効」があるようなので、心当たりがあるなら早めに相談しておいたほうがいいです。

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ブラックリストと債務整理について正しく理解していれば、むやみに債務整理を恐れなくてよいことがわかります。

ここでは、ブラックリストと債務整理の関係についてまとめます。

そもそもブラックリストってどんなものなの?

「ブラックリストに載る」「ブラックリスト入りする」という表現が一般的に使われるため、実体あるリストが存在すると思ってしまいがちです。

しかし、そのようなリストはないので、安心してください。

いわゆるブラックリストとは、個人信用情報に金融事故の情報が記載されることを意味します。

 

個人信用情報ってなに?

物品やサービスを購入したら、引き換えにその対価を支払います。

しかし、信用を担保に支払いを後回しにできるクレジットカード決済などの「信用取引」をするには、その人が信頼に足る人物だということを確認できないと不安です。

そのとき、過去の支払い状況を見られれば、きちんと返済できる能力があるかどうかを判断できます。

この判断をするのに使われる「過去の返済状況を記録しているもの」が個人信用情報です。

個人信用情報は誰が管理しているの?

個人信用情報は、国に認可を受けた指定信用情報機関によって管理されています。

JICC(株式会社 日本信用情報機関)とCIC(株式会社 シー・アイ・シー)、JBA(全国銀行個人信用情報センター)の3つがこれに該当します。

すべての金融機関は、そのひとつ以上の会員になっています。

JICCには、消費者金融を中心とした貸金業者が加入しており、クレジットカード会社や信販会社が多く加入しているのがCICです。

JBAは、全国の銀行をカバーしています。

個人信用情報機関が管理している情報とは?

個人信用情報には、氏名や生年月日、住所や勤務先などといった基本情報をはじめとして、ローンやクレジットカードによる借入状況や返済状況が記録されています。

個人信用情報は信用取引の実績があると記録されるデータなので、過去に一度もローンやクレジットカードを使ったことがない人では記録が一切ないことがあります。

このような人をスーパーホワイトといいます。

スーパーホワイトの状態は、その人の信用を判断する材料がないことを意味するため、ローンやクレジットカードの審査に通りにくい場合があります。

 

ブラックリスト入りとは?

クレジットカードや携帯電話の分割払い、ローンなどの返済が滞ることを金融事故といいます。

このような事故を起こすと、それが個人信用情報に記載されることがあります。

これがブラックリストに載ったという状態です。

各個人信用情報機関によって事故情報の記載ルールには違いがあり、同じ債務整理をしても扱いに差が出ることがあります。

任意整理や特定調停をしたらブラックリストはどうなる?

債務整理には5つの種類があります。

任意整理と特定調停、個人再生と自己破産、そして過払い金請求です。

債務整理の種類によって、個人信用情報におよぼす影響が違います。

また、個人信用情報機関の違いによっても扱われ方に差があります。

任意整理ってなに?

任意整理とは債務者と債権者の任意の話し合いによって債務整理を行う方法です。

その最大の特徴は、任意の債権だけを選んで債務整理できることです。

連帯保証人が付いた債権を債務整理の対象にすると、連帯保証人に少なからず迷惑がかかります。

任意整理では、連帯保証人の付いた債権を対象から外すことで、被害が広がるのを避けられます。

任意整理は債務者本人で行うこともできますが、債権者が交渉に応じなければ進めることができません。

そのため、弁護士や司法書士に依頼するのが一般的です。

もしも、債務に過払い金が発生していることが判明すれば、一緒に手続きを進めてもらえるのもメリットです。

特定調停ってなに?

特定調停は、裁判所を介して行う話し合いによる債務整理です。

裁判所の調停委員が仲介役にあたるので、法律専門家に支払う費用は発生しません。

しかし、交渉で債務者本人が担う役割も大きいため事前準備が不可欠です。

ブラックリストはどうなる?

任意整理や特定調停をしたときの扱いは個人信用情報機関によって違いがあります。

ただし、ブラックリストに載ることには変わりありません。

JICCでは、個人信用情報のなかの異動参考情報という欄に、問答無用で「債務整理」と明記されます。

一方、CICでは債務整理をしてもその情報が直接記録されることはありません。

とはいえ、安心はできません。

延滞や補償不履行などの金融事故について、CICでは「異動」と呼んでいます。

債務整理をしようという人は、その前に延滞を起こしているのが一般的です。

この延滞が3カ月以上続くと支払い状況欄に「異動」と記録されてしまうのです。

また、JBAでは、債務者が債務整理をすると、その後の債権の回収を提携の貸金業者などに委任するのが普通です。

これを「代位弁済」といいます。

この「代位弁済」が個人信用情報に記録として残ります。

 

記録が残る期間はどれくらい?

任意整理や特定調停をすると、その情報は会員である各金融機関から個人信用情報機関に報告されます。

報告に基づき記録が行われ、5年間保持されるのが基本です。

ところが、各金融機関が個人信用情報機関に報告するタイミングを外部から把握することができないため、起算日(期間をカウントする最初の日)を明言することが難しいのです。

そのため、一般的には債務整理の対象となった債務を、完済した時点からの5年間だと考えておくのが無難です。

ただし、JICCでは、その事実が発生した日から5年間と明記しています。

個人再生や自己破産をしたらブラックリストはどうなる?

個人再生とは、裁判所に債務を大幅に圧縮してもらう債務整理の方法です。

裁判所が、最低支払うべき弁済額を決めて、それを通常3年~5年かけて返済していきます。

一方、自己破産とは、債務をすべて免除してもらうかわりに、最低限の財産を残して価値ある財産をすべて没収される仕組みです。

ブラックリストはどうなる?

個人再生や自己破産を行うと官報に氏名が載ります。

JBAでは官報公告があった時点から10年間、個人信用情報に記録を保持すると明言しています。

一方、JICCでは任意整理などと同様に、個人信用情報に「債務整理」と明記されます。

また、事実の発生日から5年間記録が残ります。

起算日は、個人再生では裁判所に手続きを申請して受理された日、自己破産では免責が確定した日と考えるのが妥当です。

CICでは個人再生や自己破産が直接記録されることはありません。

あくまでも「異動」の情報が問題なのであって「異動」の対象となった債務を完済してから5年間記録が残ります。

個人信用情報は共有されている!

3つの信用情報機構はお互いに情報を共有するためのネットワークを持っています。

これをCRIN(Credit Information Network)と呼びます。

そのため、JICCやCICが個人再生や自己破産の情報を5年間だけしか保持していなくても、JBAでは10年間保持されるので、筒抜けになっていると考えたほうが無難です。

ブラックリストに載るデメリットとは?

自己破産や個人再生をすると官報公告が行われるので、氏名と債務整理した事実が全国的に知られてしまいます。

それをデメリットと考える人もいるでしょう。

また、自己破産をすると、弁護士や警備員などの特定の職業に就けなくなります。

過払い金請求では、手続きをした結果債務が残ってしまう場合を除いては、ブラックリストに載ることもなくデメリットは一切ありません。

ところが、過払い金請求以外の債務整理では、その種類にかかわらず、ブラックリストに載るという共通のデメリットが生じます。

個人信用情報は個人の信用を確認するために利用するものです。

クレジットカードやローンを申し込むと、業者は必ず個人信用情報を参照します。

そのとき、金融事故を起こしているとわかれば業者は当然警戒するでしょう。

そのため、ローンやクレジットカードの利用はもとより、キャッシングや携帯電話の分割払いなどができなくなるのです。

現在使っているクレジットカードについても、ブラックリストに載ってしまえばカード更新時に使えなくなる可能性もあります。

人生を再起するメリットのほうが大きい!

ブラックリストに載ったからといって、人生が終わるわけではありません。

クレジットカードが作れなくても、デビットカードで代用できるシーンは増えています。

債務整理をすることは新しい人生をスタートさせるチャンスです。

むやみにブラックリストをおそれることなく、正しい知識を吸収して賢く債務整理を進めましょう。

まずは、弁護士や司法書士の無料相談から始めてみてはいかがでしょうか。

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